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zoom RSS 影膳 〜加賀屋のサービス〜

<<   作成日時 : 2007/06/09 17:37   >>

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 石川県・能登半島の和倉温泉に、誰もが「一度は泊まってみたい」という名旅館・加賀屋があります。
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ある日、家族連れが加賀屋にやってきました。70代のご婦人、息子夫婦、孫娘の4人家族。仲居さんが客室に案内し、笑顔で歓迎の挨拶をし抹茶を振舞っているとき、おばあちゃんがポツリと一言。

「おじいちゃんがいたら喜んだのにねぇ…」

「どうかなさったんですか?」

 実は加賀屋への家族旅行は、1年前におじいさんが提案したもの。長年職人として頑張ってきたおじいちゃんでしたが、80も近くなって引退し、あとはゆっくりと国内の色々な温泉地や名旅館を、苦楽を共にして来たおばあちゃんと一緒に巡ってみたい…それが楽しみでした。その中でも一番行きたかったのは加賀屋。
 せっかく一番行きたい所へ行くなら、息子たちや孫も一緒に連れて行きたいというのがおじいちゃんの希望。しかし、息子はバリバリの会社の管理職だし、孫も成人していて社会人だからなかなかスケジュールが合わず、予約出来たのはおじいちゃんの引退後ほぼ半年先の日程でした。
 その旅行を楽しみに指折り数えていた、あと2ヶ月という頃の事です。心筋梗塞か脳梗塞かわかりませんが、おじいちゃんは病に倒れ還らぬ人となってしまった…。
 おばあちゃんは当然

「旅行なんか行く気にならない。中止にしよう。」

 そう言いましたが、息子は

「お母さんのための旅行でもあるんだから…」

 と説得し、この旅行当日を迎えた…
 おばあちゃんは仲居さんにそう語ったといいます。この話を聞いたとき、その仲居さんは自分の心の中だけに留めておく事も出来たわけですが、彼女はそうはしませんでした。
 
 さて、夕食の時間になりました。家族が温泉を満喫して部屋に戻ってくると豪華なお膳が用意されていました。感動しつつ席についてみると何故かひとつ多いではありませんか。おばあちゃんは何かの間違いと思い、仲居さんに聞いてみると、

「ご主人様のお膳でございます。」

 この家族の心は感動に包まれた事は言うまでもありません。
 何度もお礼を言いながら食事を始めてしばらくすると、各部屋に挨拶で回っている副支配人がこの部屋にもやってきました。
 通常は感謝と歓迎の言葉をお客さんに述べるわけですが、この副支配人はまずおじいちゃんのお膳の前に無言で進み行き、深々と頭を下げて合掌したといいます。

 その予期せぬ行動に家族一同、涙・涙・涙・・・
 
 実はこの話、加賀屋の総支配人による「加賀屋のサービスについて」の講演で聞いた話です。
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 6月6日・7日の2日間で、鉄道・バス・ホテル・書店・観光・ゴルフ場などサービス・接客業が集まるグループ労連のセミナーで加賀屋を訪れ、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」において27年連続総合日本一の評価を受けているというそのサービスを体験してきました。

 確かにこの話を聞きながら感動しました。自分がそのお客さんの立場だったら、やっぱり感涙に暮れるだろうなぁと心から思いましたよ。
 故人が霊となってそのお膳の前にいる、という考え方はキリスト教にはないんですが、家族の心情として理解できます。日本人が故人を偲ぶ伝統的な思いですからね。こういうお膳の事を「影膳」と言うそうです。

 笑顔の接客でまずお客様の心を開く。するとお客様は自分のことを話し始めます。今回はどんな旅行なのか、どういうヒストリーがあるのか。そこにマニュアルにはない、そのお客様を喜ばし感動させるヒントが隠れている、と。

 しかし、そのような最高級のサービスを提供しているという自負と自信が、我々旅行業者には鼻につくのも事実なのです。
 私は過去2回ほど添乗で加賀屋にお世話になりましたが、お金を払ってくれるお客様には上記のように素晴らしいサービスを提供するけれども、私たち業者に対する気配りはほとんどありません。だから同業者の中では、送客したくないという声が根強くあるのも事実です。
 営業戦略としては、旅行業者にヘコヘコしなくてもお客様は喜んで押しかけてきますからそれでいいのかもしれませんけどね・・・

 私も「お客様」としては初めて泊まりましたが、その立場でいる限りは素晴らしいですよ。特に雪月花という加賀屋の中でも最高級の建物に泊まらせてもらい(ド平日に2名で泊まった場合、1泊2食@¥60000位します)ましたから、部屋も眺めも食事も最高で当たり前です。
 でももちろんそんな高い料金では泊まってないですよ。もっとリーズナブルな部屋だったところを、研修の趣旨を汲んでもらって料金はそのままで体験宿泊させてもらったから。
 
 加賀屋での研修を通して、サービスへの考え方、取り組み方などは示唆に富んだおり、得るものは少なくありませんでした。反面、従業員への信賞必罰的な考え方や過重労働の問題も垣間見ることができました。これらを現場に戻ってどのように咀嚼し伝えて、ウチの会社に生かしていくのか。それが私に与えられた宿題です。
 またゴスペルクワイヤーの運営、教会にやってくる人たちへの接し方や気配りについても生かすことが出来るかな、とも思いました。

 このような機会を提供してくださった労組と神様に感謝します
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                (接客していただいた仲居さんたち)
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                 (中央の総支配人を囲んで) 

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
玉さんの日記を読んで…ふじ○ら君が頻繁に話してくれることを思い出しました。
『Compassion』が伝わるホスピタル奉仕の医療!
それが彼の理学療法哲学だそうですが、患者さんの苦しみや心情を共有(CO-)したい!と情熱を傾ける(-PASSION)姿勢を持った医療だということ。
お泊りになるお客さんの心情を察して、その方々が「して欲しいと望んでいる事をする」。誰でも自分がして欲しいことを、人にもしなさい!と言われたイエス様の言葉をも思い出します。

たまさんのシェアに感謝!!します。
僕も活かさなきゃ!!
よっちゃん
2007/06/16 00:08
>よっちゃん
接客業のサービスってその目的は「利益を得るため」。そんなことは当たり前で、悪い事じゃ全然んないんだけど、JESUSの教えは利益を求めない「愛」そのものなんだよね。
そこがすごいよね〜!
たま
2007/06/17 00:49

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